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新しい建築の形を探し出す。その挑戦が、68年の歴史を持つ建設会社から始まっている。大分市の利根建設が打ち出す「新4K」とは何か。
幅広い業務で街づくりを支える老舗企業
利根建設は、実意丁寧をモットーとし、大分市に本社を置く68年の歴史を誇る建設会社である。その業務範囲は驚くほど広い。高層マンションなどの共同住宅から個人住宅、事務所ビル、教育施設、医療・社会福祉施設、商業施設、ホテル、さらには官庁施設まで。
新築はもちろん、リフォームや改修、施工管理、設計監理まで手掛けている。まさに、私たちの暮らしを支える街づくりのエキスパートと言えるだろう。しかし、利根建設はこれらの実績に甘んじることなく、常に「新しい建築の形」を探し続けている。それは単に建物の形状や機能だけでなく、建設業そのもののあり方、そして社会における建設業の役割までを含む、大きな挑戦なのだ。
「3K」のイメージに挑む建設業界
建設業界全体が長年抱えてきた問題がある。それは「3K(危険・キツイ・汚い)」というネガティブなイメージだ。
このイメージは若者の就職活動にも影響を与えている。ある企業説明会では、建築関係の企業説明を聞きに来る学生が少ないという現状もあったという。
「建設の仕事は確かに簡単にできる作業ばかりではありません」と利根建設の利根副社長は話す。しかし、そのイメージだけで建築の魅力を知る機会が失われてしまうのは、非常にもったいないことだと考えている。ここに、新しい建築の形を探す必要性があった。
「新4K」で魅せる建設業の新しい顔
そこで利根建設が打ち出したのが「新4K」だ。これは「かっこいい・稼げる・殻を破れる・結構モテる」の頭文字を取ったもので、建設業の新しい魅力を表現している。
「かっこいい」は、完成した建築物の美しさや、最新技術を駆使する仕事の格好良さを表している。「稼げる」は、専門性の高い仕事であることから、適正な報酬が得られることを。「殻を破れる」は、技術を磨くことで成功体験を通し成長の機会があることを意味し、「結構モテる」は、社会に貢献する仕事としての魅力を表現している。
この「新4K」は、新しい建築の形を探す過程で生まれた概念だ。建設業の本質的な魅力を再定義し、新たな視点で業界全体を見直す試みと言えるだろう。
働き方改革で実現する新しい建設業
利根建設の挑戦は、「新4K」の概念だけにとどまらない。
働き方改革にも積極的に取り組んでいるのだ。利根建設は、大分県健康経営事業所に認定されており、年1回の健康習慣アンケートを実施しているほか、誕生日休暇も設定。
また、社員が仕事もプライベートも楽しめる環境を作るため、4週7休の現場閉所の取得を推進している。さらに、「今後は、4週8休の現場閉所を実現しようと日々励んでいます」と、より一層の改革に向けた意欲を見せている。
この取り組みは、「新4K」の「殻を破れる」という要素を具現化したものと言えるだろう。従来の建設業界のイメージを覆し、ワークライフバランスを重視する新しい働き方を示している。これにより、社員の満足度向上だけでなく、業界全体のイメージアップにも貢献している。
新しい建築の形が切り開く未来
建設業は、私たちの生活に欠かせない重要な産業だ。その魅力が正しく伝わることで、より多くの若者がこの業界に興味を持ち、新しいアイデアや技術が生まれる可能性がある。
利根建設の挑戦は、建設業界全体の未来を明るくする可能性を秘めている。4週7休の現場閉所、さらには4週8休の現場閉所を目指す働き方改革は、まさに新しい建築の形を体現している。これからの建設業は、建物だけでなく、そこで働く人々の人生も豊かに「建設」していくのかもしれない。